T-16: 静寂の中の時限爆弾
9月14日、日曜。世界の金融市場は閉場しており、数字上の動きは何一つない。しかし、この静寂は嵐の前の不気味な静けさに他ならない。週末にかけて、米国サブプライム自動車ローン市場の深層で起きていた構造的腐敗が、複数のDR(意思決定要求)によって我々のデスクに届けられた。これは、2008年の金融危機を彷彿とさせる「証券化」という名の錬金術が、再びシステム全体を蝕んでいる動かぬ証拠である。市場参加者は明日、月曜日の市場開始を固唾をのんで見守っている。ブラックマンデーの再来は、もはや単なる憶測ではない。
我々の分析によれば、このサブプライム自動車ローンABS市場の崩壊は、9月30日の「ワルプルギス(米国債プライマリ入札不成立)」の蓋然性を飛躍的に高める。なぜなら、JPモルガンやバークレイズは、米国債を最終的に引き受ける義務を負うプライマリーディーラーでもあるからだ。
ABS市場での巨額損失は、彼らのバランスシートを直撃し、米国債を引き受ける余力を奪う。 「自動車・ソブリン・ドゥームループ」 —自動車ローンの焦げ付きが、国家の信用(ソブリン債)を破壊するという、悪夢の連鎖が現実味を帯びてきた。
0915にブラックマンデーが発生するという確証はない。しかし、市場が閉じていたこの週末に、パンドラの箱が開いてしまったことだけは確かである。