2025年9月15日 (月) の市況と観測

T-15: 崖淵に踏みとどまる世界市場

総括:ブラックマンデーは回避、しかし本当の危機は始まった

予測されたブラックマンデーは、辛うじて回避された。日本市場が祝日で休場となる中、世界の注目は欧州、そして米国市場へと注がれた。欧州市場は軒並み大幅下落で始まり、その流れを引き継いだ米国市場も大きく値を下げた。しかし、引けにかけては「中央銀行による何らかの介入がある」との期待感から買い戻しが入り、破滅的な暴落には至らなかった。これは安堵の材料ではない。市場の関心は、週末に露呈したサブプライム自動車ローン問題、特にその核心にいるプライマリーディーラーに集中した。JPモルガンやバークレイズの株価は暴落し、彼らの信用リスクを示すCDSスプレッドは急拡大した。市場は、個別の企業の破綻ではなく、金融システム全体の「配管」そのものの毀損を織り込み始めた。破局は免れたが、カウントダウンは確実に次の段階へ移行した一日だった。

主要市場指標(欧米市場)

S&P 500 (米国) -115.30 (-2.18%)
FTSE 100 (英国) -144.52 (-1.85%)
USD/JPY 141.85 (円高)
金 (Gold) $2,385 (+1.5%)
米国10年債利回り 4.15% (質への逃避)
VIX指数 28.5 (恐怖)

観測と分析:薄氷の上の攻防

ブラックマンデーが回避された最大の要因は、中央銀行による「見えざる手」への期待感である。市場参加者は、FRBやECBが何らかの流動性供給策を講じることを見越し、パニック的な投げ売りを一部手控えた。しかし、これは問題の先延ばしに過ぎない。東京市場が休場であったことが、アジア時間でのパニック連鎖を食い止める一時的な防波堤として機能した可能性も否定できない。

本質的な問題は、サブプライム自動車ローンABS市場の損失規模が全く見えないことにある。Tricolor社の「二重担保」が他の事業者でも横行している可能性が指摘され、市場は疑心暗鬼に陥っている。損失が確定するまで、金融機関の株価は上値の重い展開を強いられるだろう。

我々のシグナル分析によれば、最も注目すべきはプライマリーディーラーのCDSスプレッドの動きである。この数値が上昇し続ける限り、彼らが米国債入札で本来の役割を果たすことは困難になる。 市場の焦点は、もはや景気の良し悪しではない。「米国債は、本当に札割れせずに発行され続けるのか」という、国家信用の根幹に移った。