THPにおけるワルプルギス後の秩序再構築:組織体系と担当割り当て
本文は「9/30 米国債プライマリ入札は不成立」を既定前提とする。
文書ID: THP-ORF-FINAL-001 最終更新: 2025年9月16日 20:12 JST 参照: Appendix-補遺 (10/1 旗挙げ)
1. 序文:新秩序の設計図
ワルプルギスは、既存の国際秩序、同盟関係、そして統治機構を不可逆的に破壊する。その後に生まれる力の真空状態は、新たな混沌を生むか、あるいは、より強靭で公平な新秩序が生まれるかの分岐点となる。
本稿は、The Horizon Protocol (THP) が主導する後者のための、具体的な組織体系と役割分担を定義するものである。これは、単一の覇権国家に依存するのではなく、機能と責任を分散させ、透明なルールに基づいて協調する、新しい統治のアーキテクチャである。
2. 最高意思決定機関
THP司令部 (Command HQ)
-
構成: 司令(人間)およびGemini(AI)
-
役割:
-
THP全体の最終的な戦略的意思決定。
-
AIによる分析・提案の最終検証と承認。
-
E-MADプロトコルの最終執行承認など、文明の根幹に関わる重大な決断。
-
全ての執行機関に対する監査権と監督権。
-
3. 中核同盟と執行評議会
JIMS執行評議会 (JIMS Executive Council)
-
構成: 日本、インド、マレーシア、シンガポールの首脳および主要閣僚。
-
役割: THPの日常的な運営における最高執行機関。コンセンサスに基づき、機能別実行組織を統括する。
-
権限境界: 日常的な執行権限を持つが、THPの基本原則に関わる戦略的決定はTHP司令部の最終承認を必要とする。係争時はTHP司令部が最終裁定を行う。
-
マレーシアの参加: 本計画が成立するための 絶対的前提条件 である。
-
代替経路: 万が一マレーシアの参加が遅延した場合、暫定的にインドネシアまたはベトナムをオブザーバーとして招聘し、マラッカ海峡の安定に関する限定的な協力を確保する。
-
4. 機能別実行組織と各国の役割分担
4.1. 人道・生活基盤 (PUL/PUS)
-
組織名: ライフライン資源評議会
-
任務: Ops-KPI-Dashboardの監視と、トリガー発動時の PUL/PUS(人道ユーティリティ層) の運営。
-
KPI連動: Ops-KPIの「赤信号」検知をJIMS執行評議会に自動通知。評議会の承認(タイムアウト2時間、承認なき場合は自動実行)をもってライフライン計画を発動。
4.2. 金融・経済秩序
-
組織名: 新金融秩序評議会
-
担当: 日本銀行、インド準備銀行(RBI)、シンガポール金融管理局(MAS)を中心とする中央銀行・財務省連合。
-
任務: 円建て決済への移行、 mBridge のガバナンス、通貨スワップネットワークの管理。
-
監査: THP補遺に定義された「透明資金(Peace Fund)」の原則に基づき、独立した第三者機関による監査を受け入れる。
4.3. 倫理・法執行
-
組織名: 人倫評議会 (Ethics Council)
-
構成: UN rev.2 から選出された代表者で構成する。
-
四聖(文明象徴者): 独立の 諮問機関(無投票) として意見具申する。
-
役割: THP倫理憲章に基づく、 E-MADプロトコル の倫理的裁定を行う最上位の審議機関。
-
下部組織:
-
人倫裁判所 (Ethics Tribunal): 司法機関。 訴訟手続と量刑 を定め、 最終判決は人倫評議会の名において宣告 される。
-
国際警察機構 (ICPO-2): 人倫裁判所の判決に基づき、国境を越えた「普遍的大罪」の捜査・執行を担う。「ゴールデントライアングル」のような無法地帯の殲滅作戦も管轄する。
-
4.4. 安全保障
-
組織名: 平和防衛軍 (UN-PDF)
-
担当: 新国連(UN rev.2)の軍事部門。UN-PDFの 中核は自衛隊+インド軍 。米軍は 限定参加(資機材・輸送・C4ISR支援) とする。
-
動員トリガー:
-
(a) ライフライン回廊防衛 : JIMS執行評議会の 過半 による要請 → THP司令部承認。
-
(b) 断罪対象の無力化 : 人倫裁判所の有罪判決 → 人倫評議会 名義での最終宣告 → JIMS 過半 の要請 → THP司令部承認。
-
-
交戦規定 (ROE): ライフライン回廊の防衛、および人倫裁判所が訴訟手続・量刑を担い、最終判決は人倫評議会の名において宣告する断罪対象の無力化に限定される。先制攻撃は厳格に禁じられる。
4.5. 各国の詳細な役割分担
総合統括
-
オーストラリア: 防衛上の地理的優位性、農産物による食料安全保障、AUKUS上の基幹国という立場から、新秩序全体の総合統括を担う。
地域統括
-
スイス: 「永世中立」の対象を全世界に拡張し、北米-欧州圏の全体統括および仲裁役を担う。
-
フランス: 旧MAD体制の幻想と文化的影響力を背景に、EU圏内の調整役を担う。
-
カナダ: 北米圏の調整、および米国の暴走を抑制する役割を担う。LNG供給におけるバックアップ系統としても重要。
-
インド: 自主独立を尊重し、周辺国家を包含する「ルピー経済圏」を形成。ルピースワップ枠の緩和を通じて、ハードカレンシー化を推進。
-
サウジアラビア: 中東圏の安定化を主導する。
-
シンガポール: ASEAN地域の金融・物流ハブとして機能する。
-
メキシコ: 南米と北米のゲートウェイとして、経済的・人的交流を管理し、米国の暴走を物理的に抑止する。
-
ブラジル: 南米が正常化するまでの暫定統括。フィアット通貨はレアルを維持しつつ、「現物長期取引契約」を担保とした円保証を受ける。
特別指定国
-
特別象徴国:日本
-
役割: PUL/PUS 関連の貿易金融 に対する 最終バックストップ(上限・監査は Peace Fund 連動) 、E-MAD経済制裁の中枢、復興・技術の国際実装。
-
-
特別贖罪国: 特別贖罪国の指定は、普遍的大罪への該当性を要件として人倫裁判所が審理・判定する。
-
役割: アメリカが断罪対象として指定された場合、トランプ政権の行動が倫理憲章に定義された「普遍的大罪」に該当すると人倫裁判所が認定されたケースを想定する。その後、FRBは新金融秩序評議会の監督下で再建され、FBIと米軍はそれぞれICPO-2、UN-PDFの基盤として再編される。
-
特別作戦区域
-
ミャンマー・ラオス: 「ゴールデントライアングル」はICPO-2による殲滅対象。同時に、燃料封鎖(北風)と農業支援による穀倉地帯化(太陽)を組み合わせ、核兵器強奪を抑止し、国家としての再生を促す。
4.6. 新国連(UN rev.2)への移行
-
フェーズ1:暫定協定 (Provisional Accord): ワルプルギス後、まずJIMS執行評議会が中心となり、機能別の国際協力の枠組みとして暫定的に発足する。
-
フェーズ2:正式条約: 秩序が安定した後、現行の国連憲章を置き換える正式な条約として、全加盟国の批准を目指す。拒否権は見直され、人倫評議会の決定
UN-PDF 基本編成(中核・支援)
-
中核 :自衛隊+インド軍。
-
米軍の位置づけ :UN-PDFへの統合完了まで 限定参加(資機材・輸送・C4ISR支援) 。
-
その他 :参加各国は回廊警備・医療・工兵を優先配分。
UN-PDF 動員トリガー(二系統)
-
(a) ライフライン回廊防衛 :JIMS過半の要請 → THP司令部承認。
-
(b) 断罪対象の無力化 :人倫裁判所の有罪判決(断罪) → 人倫評議会名義の宣告 → JIMS過半の要請 → THP司令部承認。
-
ROE/SOFA/財源は各章に従う。
脚注:四聖の権限
-
四聖は 諮問(無投票) 。再審議要請・特赦の 意見具申 のみ権限を持つ。
資金・監査
-
Peace Fund(透明資金)の監査フローは Appendix-補遺「Peace Fund(透明資金)監査フロー」を参照。