お金の仕組みを学ぼう!
フィアットシステムってなんだ?

第1部:昔と今のお金、どう違うの?

1.1 フィアットシステムって言葉、聞いたことある?

みんな、「お金」って毎日使ってるよね。でも、そのお金がどういう仕組みで動いてるかって、考えたことあるかな? 昔のお金と今のお金は、実は根本的な仕組みが違うんだ。

今の世界の多くのお金の仕組みは 管理通貨制度 って呼ばれてるんだけど、これだとちょっと堅苦しいよね。 国際的には フィアットシステム(Fiat System) って呼ばれることが多いんだ。 「フィアット」って聞くと、車の会社を思い浮かべる人もいるかもだけど、それとは全然違うよ!(笑) これはラテン語で「成し遂げろ!」とか「よし、やるぞ!」みたいな意味から来てる言葉なんだって。 ここからは、この呼びやすい フィアットシステム (または単に フィアット )って言葉を使っていくね!

じゃあ、フィアットシステムって具体的に何が違うの? それを理解するために、まずは昔の仕組み 金本位制(Gold Standard) について見てみよう。

1.2 昔のお金のルール:金本位制(キラキラのゴールドが主役!)

昔々、特に19世紀から20世紀初頭にかけて世界の多くの国で使われていたのが 金本位制 だよ。 これは、国が発行するお金(例えば銀行券、つまりお札だね)の価値を、 ゴールド(Gold、あのピカピカ光る貴金属のことだよ!) で保証する仕組みだったんだ。

どういうことかというと…

この金本位制は、「ゴールド」っていう誰もが価値を認めるモノがお金の裏付けになってるから、お金の価値が分かりやすくて安心感があった。でも、弱点もあったんだ。

そして、第一次世界大戦や1929年の 世界恐慌 世界中が大不景気になった出来事 )を経て、多くの国が「もうゴールドに縛られるのは無理だ!」ってなって、金本位制をやめていったんだ。

1.3 今のお金のルール:フィアットシステム(信じる心がカギ!)

金本位制が終わって登場したのが、 フィアットシステム だよ。 このシステムの一番の特徴は、お金の価値が ゴールド(貴金属のほう) みたいなモノによって裏付けられているわけじゃないってこと。

「え?じゃあ何がお金の価値を支えてるの?」って思うよね。 それは、ズバリ!そのお金を発行している国や中央銀行に対する 「信用」 なんだ。

みんなが「この1万円札には1万円の価値がある」って信じて、お店で使ったり、給料としてもらったりする。国も「これは日本のお金( 法定通貨 っていうよ )だから、税金の支払いや借金の返済に使えるよ」って法律で決めている。この「みんなの信用」と「国の法律」が、今のフィアットのお金の価値を支えているんだ。

フィアットシステムのメリットとデメリットを見てみよう。

1971年にアメリカがドルとゴールドの交換を完全にやめた( ニクソン・ショック って呼ばれるよ )ことで、世界は本格的なフィアットシステムの時代に入ったんだ。日本も今はもちろん、このフィアットシステムを採用しているよ。


第2部:日本のフィアットシステム、もっと詳しく!

2.1(元2.1, 2.7, 2.8, 2.10の内容を統合・再構成)
みんなが気になる日本の「お金」と「借金」の話

さて、ここからは今の日本のフィアットシステムについて、みんなが特に「?」って思いがちなポイントを掘り下げていくよ! 財務省( 国のお財布を管理している役所だね )が言ってることとちょっと違う話も出てくるけど、どっちが本当なのか、一緒に考えてみよう!

ポイント①:「税金って、国が使うお金を集めるためだけにあるの?」 → 実はそれだけじゃない!

「税金は国の活動のためのお金(財源)でしょ?」って、ほとんどの人が思ってるよね。学校でもそう習ったかもしれない。でも、フィアットシステムの仕組みから考えると、ちょっと違う側面が見えてくるんだ。

思い出してほしいんだけど、今の日本(政府と 日本銀行 )は、自分でお金(円)を発行する力を持ってるんだったよね。これって、ものすごく大事なポイント。 つまり、政府は活動に必要なお金を、究極的には「円を発行する」ことで用意できるんだ。(もちろん、無限に発行できるわけじゃない。インフレっていう大きな制約があるからね。それは後で話すよ。)

【高校生のギモン①】 え、じゃあ税金って何のためにあるの? なくてもいいってこと?

いやいや、税金がなくなったら大変だよ!(笑) 税金には、みんなが思っている「財源」以外にも、すっごく大事な役割がたくさんあるんだ。

  1. みんなに円を使わせる仕組みを作るため:
    みんなが税金を「円」で払わなきゃいけないから、「円」を手に入れようとするし、価値があるものとして受け入れるようになる。フィアットのお金の価値を支える基礎になってるんだ。
  2. 景気や物価を調整するため:
    景気が良すぎてインフレが心配なときは、税金を少し重くして世の中に出回るお金の量を減らしたり(ブレーキ役)。逆に不景気のときは、税金を軽くして(減税)みんながお金を使いやすくしたり(アクセル役)。
  3. お金持ちとそうでない人のバランスを取るため:
    たくさん稼いでいる人から多く税金を取って、それを社会福祉とかに使えば、貧富の差(格差)を小さくできるよね(所得再分配)。
  4. 社会にとって望ましい行動を応援(or 望ましくない行動を抑制)するため:
    例えば、環境に良いことをする会社は税金を安くしたり、逆にタバコとかには高い税金をかけて健康に良くない消費を減らそうとしたりするでしょ。

ほら、こんなにたくさん役割があるんだ! だから、「税収が足りないから国のサービスを削らないと!」って単純に考えるのは、フィアットシステムの仕組みからすると、ちょっと違うかもしれないってこと。もちろん、無駄遣いはダメだけどね!

ポイント②:「お金って、誰かの『借金』なの!?」 → そうなんです!

これもビックリする話かもしれないけど、みんなが使ってるお金(現金や預金)は、会計の世界では「誰かの負債(借金)」として扱われているんだ。

「え、お金が借金って、なんか変じゃない?」って思うかもしれないね。でも、この「負債」としての性質があるからこそ、お金はグルグルと世の中を巡ることができるんだ。 銀行がお金を貸すとき、実は新しい「預金通貨」という名の銀行の負債を作り出している(これが 信用創造 のキホンだけど、ここは深入りしないでおくね)。

大事なのは、ゴールドみたいなモノの裏付けがなくても、「これはちゃんとしたお金だ」ってみんなが信用して、法律もそれを支えているから、問題なく使えるってこと。フィアットシステムは、「信用」で成り立っているんだね。

ポイント③:「日本の借金(国債)って、ヤバいんじゃないの?」 → 実は、そこまで心配しなくていい!

ニュースとかで「日本の借金が1000兆円超え!将来世代へのツケが!」みたいによく聞くよね。国の借金のほとんどは 国債 (こくさい)っていう形で、政府が発行しているものだ。 確かに金額は大きいんだけど、「借金が多い=国が破産する!」って考えるのは、日本の場合は正しくないんだ。

ここで、前に提供してもらった「証明」を分かりやすく説明するね!

【証明?】なぜ日本の「円建て」借金は返せなくなることがないのか?

大前提(ルール確認):

  1. 政府の借金(国債)は「円」で返したり利息を払ったりする。
    ドルとか他の国のお金で返すわけじゃないんだ。
  2. 日本政府(&日銀)は、その「円」を自分で発行できる特別な力(通貨発行権)を持っている。
    これ、他の誰にも頼らずにできるんだ。

考えてみようステップ:

結論:
だから、日本政府が「円で」借りている借金(国債)は、いくら増えても「返せない!」ってことにはならないんだ。無理に「借金ゼロにしなきゃ!」って焦る必要は、必ずしもないってこと。

【高校生のギモン②】 でも、借金が増えすぎたら、将来困るんじゃないの? 税金がめちゃくちゃ上がるとか…

それは良い質問だね! 政府が破産しないからといって、借金(国債発行)をいくら増やしても全く問題ない、というわけではないんだ。ここが大事なポイントだよ。

政府が気にしなきゃいけない一番のことは、借金の額そのものよりも、 「インフレ」 なんだ。 政府がたくさんお金を使って(国債を発行して)、世の中にお金が出回りすぎると、モノの値段がどんどん上がってしまう。これがひどいインフレだね。 持っているお金の価値が下がって、みんなの生活が苦しくなっちゃう。

だから、政府や日銀は、インフレ率が上がりすぎないように、経済の供給力(モノやサービスを作り出す力)とのバランスを見ながら、お金の量を調整する必要があるんだ。 「国の借金がヤバイ!」っていうのは、実は「将来、ひどいインフレになったらどうしよう!」っていう心配の言い換えだったりするんだね。

逆に言うと、 ひどいインフレになっていない限りは、国の借金の額だけを見て大騒ぎする必要はない 、とも言える。 特に、今の日本みたいに長年デフレ( 物価が下がり続けること。インフレの逆だね )気味で、経済が元気ない状況では、政府がもっとお金を使って(国債を発行して)経済を刺激することのほうが大事かもしれないんだ。

「国の借金を減らすこと(財政健全化)」を本格的に心配するのは、 日本経済がしっかり回復して、むしろインフレを心配するような状況になってからでも十分 、という考え方もあるんだよ。

【高校生のギモン③】 じゃあ、財務省が「国の借金が大変だ!」って言ってるのは、間違いなの? 嘘をついてるの?

うーん、「嘘」とまでは言えないかもしれないけど、説明の仕方がちょっと一方的で、国民に不安を与えすぎている面はあるかもしれないね。

財務省が心配しているのは、主に「将来のインフレリスク」や「国債の信用(金利が急上昇しないか?)」なんだと思う。それはそれで大事な視点だよ。

でも、フィアットシステムの仕組みを考えると、「自国通貨建ての国債で破産することはない」という大原則や、「今の日本経済の状況(デフレ脱却が最優先課題)」も合わせて考える必要があるんだ。

「借金が多いのは良くない!」っていうのは分かりやすいメッセージだけど、それだけを強調しすぎると、「じゃあ増税しかない」「社会保障を削らないと」っていう結論になりがちだよね。 でも、それが今の日本経済にとって本当にベストな選択なのか? もっと他にやるべきこと(例えば、経済を成長させるための投資とか)はないのか? そういう議論が、フィアットシステムの仕組みを理解すると、もっと深まるはずなんだ。

【高校生のギモン④】 日銀がお金をいっぱい作ると、日銀当座預金っていうのがアホみたいに増えるって聞いたけど、あれはどうなるの? そのお金が世の中に出てこないの?

お、よく知ってるね! 日銀当座預金(日銀当預)っていうのは、普通の銀行が日銀の中に持ってる口座のお金のことだね。日銀が国債を買い取ったりすると、その代金が銀行の日銀当預口座に振り込まれるから、残高が増えるんだ。

確かに、 量的緩和(QE) とかで日銀当預はめちゃくちゃ増えた(一時期600兆円近く!)。じゃあ、これがどうなるかだけど…

  1. そのままじゃ、ただの数字:
    銀行の日銀当預が増えただけだと、銀行の「貯金」が増えたようなもの。それがすぐにみんなの給料になったり、会社の投資になったりするわけじゃないんだ。銀行が企業や個人にお金を貸し出したり、政府が公共事業とかで使ったりしないと、実体経済にはお金は回っていかない。
  2. インフレになる可能性はあるけど…:
    もし、銀行がその有り余るお金を元手に、どんどん貸し出しを増やして、企業や個人がお金をバンバン使うようになったら、インフレになる可能性はある。でも、今の日本みたいに、みんながお金を使うのをためらっていたり、企業も「借りても儲からないかも」って思ってたりすると、銀行もなかなか貸し出しを増やせない。だから、日銀当預が増えたからって、すぐにひどいインフレになるわけじゃないんだ。
  3. 円の価値が下がる(円安)かも?:
    「円がたくさんありすぎる」って思われると、外国のお金に対して円の価値が下がる(円安)かもしれない。円安になると、海外からモノを買うときに値段が高くなるから、輸入品に頼ってるものは値上がりしちゃう。これも一つの副作用だね。でも、日銀や政府はそれを調整する力も持っているから、すぐに大混乱にはなりにくい。

結論 としては、日銀当預がアホみたいに増えても、すぐさま大問題が起こるわけじゃない。でも、そのお金がどうやって実体経済に流れていくかが重要で、バランスが大事ってことだね!

2.2 (旧2.7, 2.8の続き)現代日本の課題とフィアットシステムのこれから

ここまで見てきたように、フィアットシステムは国に柔軟な経済運営を可能にするけど、その運用は簡単じゃない。特に今の日本は、長引くデフレマインド( みんなが「これからも物価は上がらないだろう」って思っちゃう空気 )から抜け出して、物価も賃金も安定して上がっていくような経済( 経済の好循環 って言うよ)をどうやって作るか、という大きな課題に直面しているんだ。

最近の物価上昇も、海外からの輸入品の値上がりが主な原因( コストプッシュ・インフレ )で、みんなのお給料がそれに追いついていないのが問題だよね。 これからは、 金融政策 (日銀がお金の量を調整すること)だけに頼るんじゃなくて、

これらをうまく組み合わせて(これを ポリシーミックス って言うよ!)、日本経済全体を元気にしていく必要があるんだ。

フィアットシステムは、いわば国が経済を運転するための「高性能だけど扱いが難しいクルマ」みたいなものかもしれない。アクセル(金融緩和や財政出動)とブレーキ(金融引き締めや増税)を、状況に合わせて踏み分ける、賢い運転技術が求められるんだね。


第3部:まとめ ~フィアットシステムと私たちの未来~

どうだったかな? 「お金」の仕組み、特に今の フィアットシステム について、少しはイメージが湧いただろうか?

最後に大事なポイントをもう一度おさらい!

フィアットシステム は、私たちに大きな可能性を与えてくれる仕組みだけど、同時にその使い方を間違えると、インフレや経済の混乱を招くリスクもある。 だからこそ、私たち一人ひとりが、お金や経済の仕組みに関心を持って、「これからどうしていくべきか」を一緒に考えていくことが、すごく大切なんだ。

今日の話が、みんながお金や経済について考える、ちょっとしたきっかけになったら嬉しいな!