みんな、「お金」って毎日使ってるよね。でも、そのお金がどういう仕組みで動いてるかって、考えたことあるかな? 昔のお金と今のお金は、実は根本的な仕組みが違うんだ。
今の世界の多くのお金の仕組みは 管理通貨制度 って呼ばれてるんだけど、これだとちょっと堅苦しいよね。 国際的には フィアットシステム(Fiat System) って呼ばれることが多いんだ。 「フィアット」って聞くと、車の会社を思い浮かべる人もいるかもだけど、それとは全然違うよ!(笑) これはラテン語で「成し遂げろ!」とか「よし、やるぞ!」みたいな意味から来てる言葉なんだって。 ここからは、この呼びやすい フィアットシステム (または単に フィアット )って言葉を使っていくね!
じゃあ、フィアットシステムって具体的に何が違うの? それを理解するために、まずは昔の仕組み 金本位制(Gold Standard) について見てみよう。
昔々、特に19世紀から20世紀初頭にかけて世界の多くの国で使われていたのが 金本位制 だよ。 これは、国が発行するお金(例えば銀行券、つまりお札だね)の価値を、 ゴールド(Gold、あのピカピカ光る貴金属のことだよ!) で保証する仕組みだったんだ。
どういうことかというと…
この金本位制は、「ゴールド」っていう誰もが価値を認めるモノがお金の裏付けになってるから、お金の価値が分かりやすくて安心感があった。でも、弱点もあったんだ。
そして、第一次世界大戦や1929年の 世界恐慌 ( 世界中が大不景気になった出来事 )を経て、多くの国が「もうゴールドに縛られるのは無理だ!」ってなって、金本位制をやめていったんだ。
金本位制が終わって登場したのが、 フィアットシステム だよ。 このシステムの一番の特徴は、お金の価値が ゴールド(貴金属のほう) みたいなモノによって裏付けられているわけじゃないってこと。
「え?じゃあ何がお金の価値を支えてるの?」って思うよね。 それは、ズバリ!そのお金を発行している国や中央銀行に対する 「信用」 なんだ。
みんなが「この1万円札には1万円の価値がある」って信じて、お店で使ったり、給料としてもらったりする。国も「これは日本のお金( 法定通貨 っていうよ )だから、税金の支払いや借金の返済に使えるよ」って法律で決めている。この「みんなの信用」と「国の法律」が、今のフィアットのお金の価値を支えているんだ。
フィアットシステムのメリットとデメリットを見てみよう。
1971年にアメリカがドルとゴールドの交換を完全にやめた( ニクソン・ショック って呼ばれるよ )ことで、世界は本格的なフィアットシステムの時代に入ったんだ。日本も今はもちろん、このフィアットシステムを採用しているよ。
さて、ここからは今の日本のフィアットシステムについて、みんなが特に「?」って思いがちなポイントを掘り下げていくよ! 財務省( 国のお財布を管理している役所だね )が言ってることとちょっと違う話も出てくるけど、どっちが本当なのか、一緒に考えてみよう!
「税金は国の活動のためのお金(財源)でしょ?」って、ほとんどの人が思ってるよね。学校でもそう習ったかもしれない。でも、フィアットシステムの仕組みから考えると、ちょっと違う側面が見えてくるんだ。
思い出してほしいんだけど、今の日本(政府と 日本銀行 )は、自分でお金(円)を発行する力を持ってるんだったよね。これって、ものすごく大事なポイント。 つまり、政府は活動に必要なお金を、究極的には「円を発行する」ことで用意できるんだ。(もちろん、無限に発行できるわけじゃない。インフレっていう大きな制約があるからね。それは後で話すよ。)
【高校生のギモン①】 え、じゃあ税金って何のためにあるの? なくてもいいってこと?
いやいや、税金がなくなったら大変だよ!(笑) 税金には、みんなが思っている「財源」以外にも、すっごく大事な役割がたくさんあるんだ。
ほら、こんなにたくさん役割があるんだ! だから、「税収が足りないから国のサービスを削らないと!」って単純に考えるのは、フィアットシステムの仕組みからすると、ちょっと違うかもしれないってこと。もちろん、無駄遣いはダメだけどね!
これもビックリする話かもしれないけど、みんなが使ってるお金(現金や預金)は、会計の世界では「誰かの負債(借金)」として扱われているんだ。
「え、お金が借金って、なんか変じゃない?」って思うかもしれないね。でも、この「負債」としての性質があるからこそ、お金はグルグルと世の中を巡ることができるんだ。 銀行がお金を貸すとき、実は新しい「預金通貨」という名の銀行の負債を作り出している(これが 信用創造 のキホンだけど、ここは深入りしないでおくね)。
大事なのは、ゴールドみたいなモノの裏付けがなくても、「これはちゃんとしたお金だ」ってみんなが信用して、法律もそれを支えているから、問題なく使えるってこと。フィアットシステムは、「信用」で成り立っているんだね。
ニュースとかで「日本の借金が1000兆円超え!将来世代へのツケが!」みたいによく聞くよね。国の借金のほとんどは 国債 (こくさい)っていう形で、政府が発行しているものだ。 確かに金額は大きいんだけど、「借金が多い=国が破産する!」って考えるのは、日本の場合は正しくないんだ。
ここで、前に提供してもらった「証明」を分かりやすく説明するね!
【証明?】なぜ日本の「円建て」借金は返せなくなることがないのか?
大前提(ルール確認):
考えてみようステップ:
結論:
だから、日本政府が「円で」借りている借金(国債)は、いくら増えても「返せない!」ってことにはならないんだ。無理に「借金ゼロにしなきゃ!」って焦る必要は、必ずしもないってこと。
【高校生のギモン②】 でも、借金が増えすぎたら、将来困るんじゃないの? 税金がめちゃくちゃ上がるとか…
それは良い質問だね! 政府が破産しないからといって、借金(国債発行)をいくら増やしても全く問題ない、というわけではないんだ。ここが大事なポイントだよ。
政府が気にしなきゃいけない一番のことは、借金の額そのものよりも、 「インフレ」 なんだ。 政府がたくさんお金を使って(国債を発行して)、世の中にお金が出回りすぎると、モノの値段がどんどん上がってしまう。これがひどいインフレだね。 持っているお金の価値が下がって、みんなの生活が苦しくなっちゃう。
だから、政府や日銀は、インフレ率が上がりすぎないように、経済の供給力(モノやサービスを作り出す力)とのバランスを見ながら、お金の量を調整する必要があるんだ。 「国の借金がヤバイ!」っていうのは、実は「将来、ひどいインフレになったらどうしよう!」っていう心配の言い換えだったりするんだね。
逆に言うと、 ひどいインフレになっていない限りは、国の借金の額だけを見て大騒ぎする必要はない 、とも言える。 特に、今の日本みたいに長年デフレ( 物価が下がり続けること。インフレの逆だね )気味で、経済が元気ない状況では、政府がもっとお金を使って(国債を発行して)経済を刺激することのほうが大事かもしれないんだ。
「国の借金を減らすこと(財政健全化)」を本格的に心配するのは、 日本経済がしっかり回復して、むしろインフレを心配するような状況になってからでも十分 、という考え方もあるんだよ。
【高校生のギモン③】 じゃあ、財務省が「国の借金が大変だ!」って言ってるのは、間違いなの? 嘘をついてるの?
うーん、「嘘」とまでは言えないかもしれないけど、説明の仕方がちょっと一方的で、国民に不安を与えすぎている面はあるかもしれないね。
財務省が心配しているのは、主に「将来のインフレリスク」や「国債の信用(金利が急上昇しないか?)」なんだと思う。それはそれで大事な視点だよ。
でも、フィアットシステムの仕組みを考えると、「自国通貨建ての国債で破産することはない」という大原則や、「今の日本経済の状況(デフレ脱却が最優先課題)」も合わせて考える必要があるんだ。
「借金が多いのは良くない!」っていうのは分かりやすいメッセージだけど、それだけを強調しすぎると、「じゃあ増税しかない」「社会保障を削らないと」っていう結論になりがちだよね。 でも、それが今の日本経済にとって本当にベストな選択なのか? もっと他にやるべきこと(例えば、経済を成長させるための投資とか)はないのか? そういう議論が、フィアットシステムの仕組みを理解すると、もっと深まるはずなんだ。
【高校生のギモン④】 日銀がお金をいっぱい作ると、日銀当座預金っていうのがアホみたいに増えるって聞いたけど、あれはどうなるの? そのお金が世の中に出てこないの?
お、よく知ってるね! 日銀当座預金(日銀当預)っていうのは、普通の銀行が日銀の中に持ってる口座のお金のことだね。日銀が国債を買い取ったりすると、その代金が銀行の日銀当預口座に振り込まれるから、残高が増えるんだ。
確かに、 量的緩和(QE) とかで日銀当預はめちゃくちゃ増えた(一時期600兆円近く!)。じゃあ、これがどうなるかだけど…
結論 としては、日銀当預がアホみたいに増えても、すぐさま大問題が起こるわけじゃない。でも、そのお金がどうやって実体経済に流れていくかが重要で、バランスが大事ってことだね!
ここまで見てきたように、フィアットシステムは国に柔軟な経済運営を可能にするけど、その運用は簡単じゃない。特に今の日本は、長引くデフレマインド( みんなが「これからも物価は上がらないだろう」って思っちゃう空気 )から抜け出して、物価も賃金も安定して上がっていくような経済( 経済の好循環 って言うよ)をどうやって作るか、という大きな課題に直面しているんだ。
最近の物価上昇も、海外からの輸入品の値上がりが主な原因( コストプッシュ・インフレ )で、みんなのお給料がそれに追いついていないのが問題だよね。 これからは、 金融政策 (日銀がお金の量を調整すること)だけに頼るんじゃなくて、
これらをうまく組み合わせて(これを ポリシーミックス って言うよ!)、日本経済全体を元気にしていく必要があるんだ。
フィアットシステムは、いわば国が経済を運転するための「高性能だけど扱いが難しいクルマ」みたいなものかもしれない。アクセル(金融緩和や財政出動)とブレーキ(金融引き締めや増税)を、状況に合わせて踏み分ける、賢い運転技術が求められるんだね。
どうだったかな? 「お金」の仕組み、特に今の フィアットシステム について、少しはイメージが湧いただろうか?
最後に大事なポイントをもう一度おさらい!
フィアットシステム は、私たちに大きな可能性を与えてくれる仕組みだけど、同時にその使い方を間違えると、インフレや経済の混乱を招くリスクもある。 だからこそ、私たち一人ひとりが、お金や経済の仕組みに関心を持って、「これからどうしていくべきか」を一緒に考えていくことが、すごく大切なんだ。
今日の話が、みんながお金や経済について考える、ちょっとしたきっかけになったら嬉しいな!