4. 新型コロナウイルス入門2 ~今の状況と私たちができること~

前のページでは、新型コロナウイルスが「予測不能な挑戦者」であることを学びました。では、そんな危険な相手に対して、私たちは今、どう向き合えばいいのでしょうか。

このページでは、特に「まだ分かっていない、本当に怖い部分」に焦点を当てていきます。少し怖い話も含まれますが、これを知ることが、あなたとあなたの大切な人を守る一番の力になります。

Q1. 新型コロナウイルスの「本当の怖さ」って、何なんですか?

A1. それは、 このウイルスと人類が出会ってから、まだほんの数年しか経っていない ということです。2020年に世界的な大流行が始まってから、私たちは目の前の流行の波を乗り越えるのに必死でした。しかし、このウイルスの長期的な影響、つまり「本当の強さ」は、まだ全く分かっていません。

例えば、 麻疹(はしか) というウイルスは、感染してから数年~数十年後に、 SSPE(亜急性硬化性全脳炎) という非常に重い脳の病気を引き起こすことがあります。新型コロナウイルスに、そのような「時限爆弾」のような性質がないと、今は誰も断言できないのです。これが、専門家が最も恐れている「未知のリスク」の一つです。

Q2. 今、一番問題になっている後遺症について教えてください。

A2. 最大の特徴は、間違いなく コロナ後遺症(Long-COVID) です。これは、感染時の症状が治まった後も、数ヶ月から数年にわたって、様々な不調が続く状態を指します。

激しい倦怠感、思考力の低下(ブレインフォグ)、息切れ、脱毛、味覚・嗅覚障害など、症状は本当に多様です。そして、最も恐ろしいのは、コロナ後遺症については 「数年経っても自然には治らないケースがある」ということ以外、治療法も原因も、ほとんど何も分かっていない 点です。日常生活が送れなくなるほど重症化する人も少なくありません。

Q3. 最近の研究で、もっと怖いことも分かってきているって本当ですか?

A3. はい。残念ながら、研究が進むにつれて、ウイルスの危険な側面が次々と明らかになっています。特に脳への影響が心配されています。

  • 脳への侵入 : ウイルスが、脳を守るためのバリアである 血液脳関門(BBB) を突破し、脳内で増殖することがあると分かってきました。
  • 脳へのダメージ : 脳にウイルスが侵入することで、免疫が暴走する サイトカインストーム が起きたり、脳が物理的に縮んだりする例が報告されています。ブレインフォグなどの症状は、こうした脳への直接的なダメージが原因ではないかと考えられています。
  • 全身への影響 : その他にも、生殖機能に影響が出て性器が小さくなる、血管を傷つけて血栓ができやすくなるなど、全身に様々な影響を及ぼす可能性が指摘されています。

ここでも重要なのは、これらは全て「研究の序章」にすぎないということです。数年、数十年という単位で、私たちの体にどんな影響が出てくるのか、まだ誰も本当のところは分かっていません。

Q4. こんなに怖いなら、結局どうすればいいんですか?

A4. これだけの「未知のリスク」があるからこそ、答えはとてもシンプルで、そして前向きなものになります。

私たちにできる最も賢明で確実な対策は、『何よりもまず、感染しないこと(予防)』です。

具体的には、私たちがパンデミックの初期に学んだ、とても基本的なことです。「三つの密(密閉・密集・密接)」を避け、こまめな手指消毒をすること。そして、マスクを効果的に使うこと。みんなが少しずつこれを心掛ければ、社会全体で病気になる人の数は自然と減っていきます。

特にマスクは、とても大切な役割を持っています。自分を感染から守るだけでなく、もっと大事な意味があるんです。

誰だって、他の人から病気をうつされたくありません。そして、ほとんどの心ある人は、自分が他の人に病気をうつしたくなんてないはずです。

マスクは、「自分が加害者にならないために」つける、
思いやりの道具なんだよ。

ワクチンや治療薬はもちろん大切なお守りですが、それだけに頼るのではなく、日々の予防を続けること。それが、この「正体不明の挑戦者」から、あなたの未来と、あなたの周りの大切な人たちの未来を守る、一番確実な方法です。


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