病気になった時、「標準治療」という言葉を耳にすることがあります。あなたは「標準」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?「まあ、普通の治療かな?」「平均的なレベル?」なんて思ってしまうかもしれません。
でも、それは大きな誤解です!実は、医療の世界でいう「標準治療」は、 「現時点で利用できる、科学的に最も効果が証明された最高の治療法」 という意味なんです。ここでは、その大事な意味と、なぜそれを知っていることが自分の身を守るのかを、一緒に見ていきましょう。
Q1. 「標準治療」って、具体的にはどういうものなんですか?
A1. 標準治療とは、単なる「普通の治療」ではありません。 「科学的な証拠(エビデンス)に基づいて、ある病気や症状に対して、最も効果と安全性が高いと証明されている治療法」 のことです。
世界中の科学者やお医者さんが、たくさんの患者さんの協力のもとで「臨床試験(りんしょうしけん)」という厳しいテストを繰り返します。その結果、「この治療法が一番効くし、安全性も高いね」と認められたものだけが「標準治療」として認められるのです。いわば、治療法のゴールドメダル、信頼度No.1の治療法だと思ってください。
Q2. なんでそんなにスゴイ治療を「標準」なんて呼ぶんですか?もっと良い名前はなかったの?
A2. とても良い質問ですね。この言葉のせいで誤解が生まれているのは事実です。ここでの「標準(Standard)」は、「基準」や「ものさし」という意味で使われています。
つまり、新しい治療法が開発された時、その効果を測るための 「比較の基準(ものさし)」となるのが標準治療 なのです。新しい治療法は、「今ある標準治療よりも優れている」と証明できて、はじめて新しい標準治療の候補になれます。決して「並レベル」という意味ではないんですよ。
Q3. ということは、「標準治療」はずっと同じじゃなくて、変わっていくんですか?
A3. その通りです!これがとても大切なポイントです。医学は日進月歩で、新しい薬や手術の方法がどんどん開発されています。
それらの新しい治療法が、厳しいテストの結果、今までの標準治療よりも「もっと効果が高い」あるいは「副作用が少ない」と証明されれば、その新しい治療法が次の「標準治療」へとアップデートされていきます。標準治療は、 常にその時代の最高の治療を目指して、進化し続けている のです。
Q4. 「最先端医療」とか「自由診療」とは何が違うんですか?
A4. 「最先端医療」や、保険が効かない「自由診療」は、まだ標準治療として確立されていない治療法を指すことが多いです。これらは、まだ開発の途中だったり、効果や安全性が科学的に十分証明されていなかったりする段階のものです。
中には将来、新しい標準治療になるものもあるかもしれませんが、現時点では「本当に効くかどうかが、まだハッキリわからない」治療法です。だからこそ、まず最初に頼るべきは、 最も確実な証拠がある「標準治療」 なのです。
Q5. この知識が、あやしい治療から身を守るのにどう役立つんですか?
A5. これが一番のポイントです。「このサプリでガンが消える!」「奇跡の治療法!」といった宣伝文句を見たら、まずこう自問してください。「その治療法は、 標準治療よりも優れていると科学的に証明されているの? 」と。
もし答えが「いいえ」だったり、「病院の治療は古い」などと標準治療を否定したりするようなら、それは極めてあやしいです。本当に素晴らしい治療法なら、隠れたりせず、科学的な手続きを踏んで、いずれは堂々と「標準治療」になります。 標準治療を知っていることは、効果不明で高額な、時には危険な治療法からあなた自身と家族を守るための最強の武器 になります。